遺族年金についてまとめた記事はこちら!

生命保険を見直す前に!共働き子育て夫婦の遺族年金について考よう

こんにちは。ちゃはちです。

共働きで生計を維持している場合にはどちらかに「万が一」があった時、家計に与えるダメージがより大きくなります。

特に子供がまだ独り立ちしていない時にそんなことになったら…。考えたくはないけど、備えはしておかないといけません。

もちろん生命保険の検討も大切ですが、まず知っておきたいのは国の制度である「公的遺族年金」のこと。

ということで、今回は我が家のような共働き子育て夫婦のどちらかに万が一があった場合の遺族年金について考えてみます。

ちゃはち

それにせっかくFPの資格も取ったのでこういう話も増やしていこうと思いましてね…。
そうね。貴重な時間とお金を費やして取った資格だもの、思いきりひけらかしたいわよね。

ちゃはち

言い方っ!
注意
本記事は夫婦ともに現役で会社員として共働きしている子持ち家庭(主に50歳未満の方)を対象としており、制度の解説もこれに限定したものとなります。

また、2018年9月現在の制度に基づいた記述となります。今後法改正等が行われた場合には本記事の内容が適切でなくなる可能性もある点にご留意ください。

遺族基礎年金

共働き子育て夫婦のどちらかが亡くなってしまった場合、まず受給できる可能性があるのが「遺族基礎年金」です。

遺族基礎年金は老後にもらえるいわゆる国民年金(老齢基礎年金)に相当する遺族年金で「子育て年金」とも言われています。

何だかよく分からないけど基礎は大事よ。基礎を大切にすることは人生の基礎なのよ。

ちゃはち

あ、うん。そうだね…。

遺族基礎年金が受給できるのは…

共働き子育て夫婦に万が一があった時、遺族基礎年金の給付を受けられるのは「ざっくり」言うと以下の要件を全て満たした時です。

共働き夫婦が配偶者の遺族基礎年金をもらえる条件
  1. 亡くなった配偶者が過去にちゃんと年金を納めている
  2. 18歳未満(18歳になって最初の3月末が到来するまで)の子供がいる
  3. 亡くなった配偶者と生計維持関係にあった

ちゃはち

では、ここからは一つ一つの条件についてもう少し細かく見ていきます。

亡くなった配偶者が過去にちゃんと年金を納めている

この場合の「ちゃんと」とは、無くなった月の前々月以前の国民年金加入期間のうち、3分の2以上の期間、保険料(年金)を漏れなく納付しているということです。また、免除期間がある場合にはその期間は納付済みとみなします。

ただし平成38年の3月までは3分の2を満たしていなくても下記の特例があります。

平成38年3月までの特例
平成38年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡した月の前々月以前の1年間、保険料に滞納がなければ要件を満たしたことになります。
仮に20歳から20年間(240ヶ月)の加入期間があるとしたら、13年4ヶ月(160ヶ月)分ってことね。私たちの場合は大丈夫そう。

ちゃはち

会社員は給与から厚生年金に含まれる形で天引きされるからまず心配ないね。でも学生のうちは未納になっている人もいるかも。

18歳未満(18歳になって最初の3月末が到来するまで)の子供がいる

ちゃはち

遺族基礎年金は18歳未満の子どもがいる人への養育費がわり!と思って下さい。
参考
障害等級1級または2級の子については「20歳未満」となります。

亡くなった配偶者と生計維持関係にあった

配偶者が無くなったことで経済的な支障があるなら支給するよ、ということです。「生計維持関係」は下記の2つを満たした時に認められます。

生計維持関係の認定基準
  1. 生計を同一にしている(住民票上同一世帯に属している。またはやむを得ない単身赴任などで住所が異なっていても消費生活上の家計を一つにしていればOK。)
  2. 給付を受ける人の収入が一定額以下である(前年の収入が年額850万円未満または所得が655万5千円未満)
いわゆる「扶養」とは違うの?

ちゃはち

うん。ちょっと違うよ。
扶養関係との違い
「扶養関係」は通常収入の高いものが低いもの、あるいは無いものを一方的に養っている状態です。一方「生計維持関係」はお互いに支えあっている形でも認められます。

例えば夫婦の年収がそれぞれ同額だったとしても、基準以下の収入または所得であれば、生計維持関係は双方に認められ、夫婦のどちらが亡くなってもこの要件はクリアできます。

給与収入しかない会社員の場合は年末にもらう「源泉徴収票」をみればその年の「収入」と「所得」がすぐ分かります。

①の「支払金額」の数字が「収入」、②の「給与所得控除後の金額」の数字が「所得」に相当します。

長年自転車操業を続けている我が家は、この要件も問題なさそうだね。低所得バンザイ!

ちゃはち

バ、バンザイ…。

遺族基礎年金の給付金額

ここまでで、一般的な共働き子育て夫婦であれば夫婦のどちらに万が一があっても、子供が18歳(の3月末)になるまでは残された配偶者に遺族基礎年金が支給される可能性が高いことが分かりました。

で、ナンボなん?

ちゃはち

え???
ナンボもらえるん?って聞いているですやねん。

ちゃはち

関西弁ヘタクソか。

遺族基礎年金の支給額は子供の数に応じて決まります。

遺族基礎年金の支給額
779,300円+子の加算(年額)

子の加算 第1子・第2子 各 224,300円
第3子以降 各 74,800円

つまり子供が1人であれば年額1,003,600円。2人なら1,227,900円。3人なら1,302,700円の給付が受けられます。

うちは子供が1人だから月額換算で約8万3千円か。これだけじゃ足りないけど、あるのと無いのでは大違いだわね。

ちゃはち

そうだね。それに会社員であれば遺族基礎年金に加えて「遺族厚生年金」ももらえる可能性があるよ。

遺族厚生年金

会社員として厚生年金に加入していた実績があれば、遺族基礎年金と併せて「遺族厚生年金」の支給を受けられる可能性もあります。

遺族厚生年金が受給できるのは…

まずは遺族厚生年金の支給要件をざっくりと。

下記を全て満たした場合、一定の親族に対して遺族厚生年金が支給される可能性があります。

一定の親族が遺族厚生年金をもらえる条件
  1. 亡くなった人が過去にちゃんと年金を納めている(死亡月の前々月以前の納付すべき期間の3分の2以上)※遺族基礎年金と同様の特例あり
  2. 亡くなった人が亡くなった時点で厚生年金の被保険者であった。
  3. 亡くなった人と生計維持関係にあった
注意
上記は亡くなった人がその当時現役で働いていた場合の要件です。退職後に亡くなった場合には別の要件が適用されますが、ここでは省略します。
①と③は遺族基礎年金と変わらないし、②は会社員として働いていれば自動的に厚生年金に加入しているはずだからこっちも問題なさそうね。

ちゃはち

うん。確かにそうなんだけど、実は遺族厚生年金は遺族基礎年金と違って受け取る人が夫か妻かで受給できる要件が違うんだ。

遺族厚生年金には夫婦格差がある

遺族基礎年金は夫が亡くなっても妻が亡くなっても、支給要件と金額に差はありませんでしたが、遺族厚生年金は亡くなったのが夫か妻かでその内容に大きな差があります。

遺族厚生年金の支給対象親族

ちゃはち

まずは遺族厚生年金の支給対象となる親族について確認してみましょう。
遺族厚生年金の支給対象者
死亡した者によって生計を維持されていた…
  • 妻、子、孫(子、孫は18歳到達年度の3月末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)、55歳以上の夫(支給開始は60歳から。ただし、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できる。)
  • 父母、祖父母(支給開始は60歳から)

※上記のうち優先順位が最上位の一人に対して支給されます。最も優先順位が高いのは妻・子・夫です。

あれ?夫は55歳以上でないとダメなの?しかも支給開始は60歳からって…。

妻は受給について年齢の制限が無いのに対して、夫は妻の死亡時に55歳以上でなければいけません。

また、55歳以上であっても実際に給付が受けられるのは60歳になってからです。(ただし18歳未満の子供がいて、遺族基礎年金を受給している間は合わせて遺族厚生年金を受給できます。)

仮に子供を大学まで通わせようとするならば、最もお金のかかる18歳以降に一切の遺族年金が無くなる可能性があるのです。

冷遇されている気持ちはいかがですか?

ちゃはち

辛いです。。。

しかも妻には夫よりさらに有利な制度が用意されています。それが中高齢寡婦加算です。

中高齢寡婦加算

中高齢寡婦加算
夫の死亡当時40歳以上65歳未満で子のない妻、又は子があっても40歳以上65歳未満で遺族基礎年金を失権している妻は、65歳になるまでの間、584,500円(年額)が遺族厚生年金に加算されます。
???

ちゃはち

子供が18歳になって遺族基礎年金が終わってしまう、又は遺族基礎年金が受けられない場合の補てんみたいなものだと考えて下さい。

ポイント
40歳以降65歳未満の間に遺族基礎年金が停止した場合にもらえるということです。この支給を受けられるのは妻だけで、夫にはありません。

また、夫死亡時に妻が40歳以上65歳未満であれば、子供(18歳未満)がいない場合でも、支給されます。

遺族厚生年金の給付金額

で、ナンボなん?

ちゃはち

出た…
うち、金が好きやねん。

ちゃはち

ゲスい天童よしみか。
遺族厚生年金(年額)の計算方法
(平均標準報酬月額×7.125÷1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬月額×5.481÷1000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数)×3/4

(平均標準報酬月額×7.5÷1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬月額×5.769÷1000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数)×0.999×3/4

のうちいずれか大きい金額が支給されます。

はぁ???。

遺族厚生年金は亡くなった配偶者の厚生年金への加入状況(期間や納めていた金額)に応じて増えたり減ったりするので計算がとても複雑なのです。

そこで役に立つのが「ねんきん定期便」です。

ちゃはち

50歳未満の人は年金定期便に記載されている金額から、現時点で万が一があった場合の遺族年金額が簡単に概算できます。

年金定期便の下半分「これまでの加入実績に応じた年金額」の赤枠で囲ってある箇所が現時点での老齢厚生年金(老後にもらえるいわゆる厚生年金)の額(年額)です。遺族厚生年金はこの金額を4分の3にした金額と概算できます。

また、死亡時に厚生年金の加入期間が25年未満の場合には、25年間加入していたとみなして年金額を計算してくれる特例があります。

ちゃはち

緑の枠の年数がこれまでの加入年数です。

加入期間が短いほど(≒若いほど)年金額が少なくなってしまうので、最低25年分は保障してあげるよ!ということですよ。

加入期間が25年未満の場合の遺族厚生年金(年額)の概算式
これまでの加入実績に応じた年金額(赤の枠)÷実際の加入月数(緑の枠)×300ヶ月(25年)×3/4

例:加入期間200月で実績に応じた年金額が40万円の場合

40万円÷200月×300月×3/4=45万円

※50歳以上の人に届く年金定期便には現時点の年金額ではなく、将来の見込み額が記載されています。

シミュレーションしてみよう

てはここからは、いくつかのパターンごとに、共働き子育て夫婦がどの遺族年金を受給できるのかシミュレーションしてみます。

尚いずれの場合においても過去の納付実績に問題は無く、子は障害等級1級または2級に該当せず、また配偶者同士には生計維持関係が認められるものとします。

1.夫が亡くなった場合

まずは夫が亡くなるパターンから。

1-1.会社員の妻45歳、子15歳の時に会社員の夫が亡くなった場合

遺族基礎年金:夫死去時に子供が18歳未満なので、遺族基礎年金の給付があります。

遺族厚生年金:妻は遺族厚生年金の受給に年齢要件がないため、同時に遺族厚生年金も受給できます。

中高齢寡婦加算:妻48歳の時に遺族基礎年金が停止するため、その後65歳まで中高齢寡婦加算が代替として遺族厚生年金に加算されます。

1-2.会社員の妻50歳、子20歳の時に会社員の夫が亡くなった場合

遺族基礎年金:夫が亡くなった時点で子供はもう18歳以上になっているため遺族基礎年金の支給はありません。

遺族厚生年金:妻には年齢制限がありませんので支給されます。

中高齢寡婦加算:夫死亡時に妻は45歳以上なので、中高齢寡婦加算が65歳まで、遺族厚生年金に加算されます。

注意
配偶者が老齢基礎年金や障害基礎年金の給付を受けないまま死亡した場合には、「死亡一時金」の支給が受けられる可能性もありますが、本記事の対象となる家庭の場合には金額が少額となる可能性が高いためここでは省略します。

死亡一時金(日本年金機構)

2.妻が無くなった場合

では、次に妻が亡くなった場合です。

2-1.会社員の夫45歳、子15歳の時に会社員の妻が亡くなった場合

遺族基礎年金:妻が亡くなった時点で子供が18歳未満のため遺族基礎年金の支給対象となります。

遺族厚生年金:妻が亡くなった時に夫は55歳未満ですが、遺族基礎年金が支給されている間(子供が18歳の3月末に到達するまでの間)のみ、遺族厚生年金の支給があります。

中高齢寡婦加算:夫には中高齢寡婦加算はありません。

このケースでは子供が18歳(の3月末)に到達するとその後一切の遺族年金がストップしてしまいます。

2-2.会社員の夫50歳、子20歳の時に会社員の妻が亡くなった場合

遺族基礎年金:妻が亡くなった時点で子供が18歳以上のため遺族基礎年金の支給はありません。

遺族厚生年金:妻が亡くなった時に夫は55歳未満なので、遺族厚生年金の支給もありません。

中高齢寡婦加算:夫には中高齢寡婦加算はありません。

このケースでは、初めから一切の遺族年金の支給が無いことになります…。

2-3.会社員の夫55歳、子15歳の時に会社員の妻が亡くなった場合

遺族基礎年金:妻が亡くなった時点で子供が18歳未満のため遺族基礎年金の支給対象となります。

遺族厚生年金:遺族基礎年金が支給されている間(子供が18歳の3月末に到達するまでの間)は年齢に関わらず遺族厚生年金の支給があります。また、妻が亡くなった時に夫は55歳以上だったので、その後夫が60歳になると遺族厚生年金が復活します。

中高齢寡婦加算:夫には中高齢寡婦加算はありません。

2-4.会社員の夫55歳、子20歳の時に会社員の妻が亡くなった場合

遺族基礎年金:妻が亡くなった時点で子供が18歳以上のため遺族基礎年金の支給はありません。

遺族厚生年金:妻が亡くなった時に夫は55歳以上なので、夫が60歳になってから妻の遺族厚生年金が支給されます。

中高齢寡婦加算:夫には中高齢寡婦加算はありません。

参考
遺族厚生年金を受給していた人が、自分の老齢厚生年金(老後の年金。いわゆる厚生年金)を受給できる年齢になった時は、基本的に遺族厚生年金の支給は止まり、自分の老齢厚生年金を受給することになります。

ただし、遺族厚生年金の額が、自分の老齢厚生年金よりも大きい場合には、その差額が自分の老齢厚生年金に加算されて支給されます。

つまり、遺族厚生年金>老齢厚生年金の場合には遺族厚生年金の額がずっと支給されるということです。

まとめ

では最後にここまでのポイントをまとめてみます。

共働き子育て夫婦(会社員)の遺族年金のポイント
  • 遺族基礎年金の支給があるのは子供が18歳(の3月末)まで。
  • 遺族基礎年金は夫でも妻でも支給要件に違いがないが、遺族厚生年金を夫が受ける場合には年齢による制限がある。
  • 妻には高齢寡婦加算が支給される可能性もあるが夫には無い。
  • 遺族厚生年金の計算は複雑だが、50歳未満であれば年金定期便を見ることで現時点の遺族基礎年金がいくらになるか簡単に概算することができる。

新しい家族が増える時に生命保険の加入や見直しをすることは重要なことだと思います。

しかし、もし夫婦のどちらかに万が一があった時、家計の支えになってくれるのは生命保険だけではありません。

もしもの時、遺族年金がどれくらい受け取れるのかを考えておかないと、無駄な保険料を払ったり、必要な保障が足りていなかったりすることになるかもしれません。

特に共働きで夫婦が同じくらいの収入を得ている場合には、夫よりも妻の保険金額に注意を払う必要があるかも知れませんね。

LIFULL保険相談

ちゃはち

とりあえず僕が55歳になるまでは死ぬ気で生きてくれ!
100歳まで生きてやる…。

とは言え何より大切なのは、夫婦の「健康」。食生活に気をつけたり、定期的な健診を受けたり、まずは「万が一」が起こらないように出来るだけのことをしたいものです。

実際妻に先立たれたら僕は寂しくて死んでしまうと思うので…。

でも妻がどう思っているのかは知りません。聞いても答えてくれません。

では、また。

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