こんにちは。ちゃはちです。
秋もだんだんと深まり冬がいよいよ近づいてきてます。
今年もインフルエンザの季節はもうすぐ。
僕も毎年会社の健保で予防注射を受けております。
しかし、我が子の出産予定日は1月。
まさにシーズン・イン・ザ・インフルです。
そこで、今回は妊婦にとってインフルエンザはどう危険なのか、胎児への影響は、ワクチンは大丈夫なのか、そして今シーズン(2016-2017)医療従事者界隈でひっそり話題になっているらしいワクチンの防腐剤ついてちょいと調べてみました。
※この記事は2016年秋から2017年冬の状況に基づいて書かれていますが、翌年の2017年秋から2018年冬のシーズンにおいても同様にワクチンの不足が懸念されています。
今回も日本産科婦人科学会のガイドライン(以下、ガイドライン)を主に参考にしながら書いていきます。
http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2014.pdf
以前トキソプラズマの記事を同ガイドラインを参考に書きました。
妊婦は重症化しやすい
通常時でも感染するととっても辛いインフルエンザですが、妊婦が発症した場合どんなことが考えられるのでしょうか。
妊婦もインフルエンザに罹患すると重篤な合併症を引き起こしやすい。妊婦がインフルエンザ流行中に心肺機能が悪化し入院する相対的リスクは産後と比較して妊娠14~20週で1.4倍、妊娠27~31週で2.6倍、妊娠37週~42週で4.7倍であり、妊娠週数とともに増加するとの報告がある。
産婦人科診療ガイドライン-産科編2014 P.54
ガイドラインでは、妊婦のインフルエンザ重篤化のリスクが通常時より高くなることについて言及しています。
そしてそのリスクは週数が進めば進むほど高くなるようです。
まぁ普通に考えて何の不思議もないですね。身体の負担が普段より重い時期ですし。
胎児への影響は?
じゃあ母体が感染した場合胎児への影響はどう考えられているのでしょうか?
こちらについてもガイドラインには
また、妊婦が妊娠初期にインフルエンザに罹患した場合、神経管閉鎖障害や心奇形などの出生時の先天奇形が増えるという報告がある一方、先天奇形と関連がないという報告もある。さらにこれらの奇形はインフルエンザウイルスの直接的な催奇形性ではなく、妊婦の高熱によるものであり、適切な治療(アセトアミノフェン等の解熱剤の投与など)により奇形のリスクは上昇しないとの報告もある。
産婦人科診療ガイドライン-産科編2014 P.55
とあります。
インフルエンザウイルスそのものが胎児に影響を与えるというよりも、インフルエンザに罹患することで妊婦が高熱を発した結果として胎児への悪影響があるかも知れないので、罹患した場合には適切な投薬により対処すべき、との考えのようです。
また、投薬としてはタミフル、リレンザの有効性について認めています。
いずれにしても母体、胎児どちらにとってもインフルエンザには十分に気を付けなければならないということです。
普通の大人ですらそうなんだから、あたりまえか。
ワクチンの接種は問題無いのか
現在使用されているインフルエンザワクチンは「不活化ワクチン」です。
不活化ワクチンは、生きた細菌やウイルスの毒性を弱めて作る「生ワクチン」とは違い、死んだ細菌やウイルスから免疫をつけるのに必要な成分を取り出して作るワクチンで、理論的に妊婦、胎児に対して使用することについての問題はないとされいています。
ワクチンを接種することによって胎児に異常が出る確率が高くなったというデータもないため、ガイドラインでも、妊娠中どの期間においても接種を希望する妊婦には接種可能だとしています。
ただ今期(2016-2017)に限っていえば、一点だけ少し気になる点があります…。
ワクチンの防腐剤
従来のインフルエンザワクチンには防腐剤の入っているものと、入っていないものがあります。
ワクチンの防腐剤に使われているのは「エチル水銀(チメロサール)」と呼ばれるものです。
水俣病で有名な「メチル水銀」は強い毒性があることで知られていますが、ワクチンの防腐剤として使われている「エチル水銀」はごく微量であり、体内に蓄積されない性質を持っていると言われており、胎児への影響はないとされています。
また、以前は自閉症との関連が疑われたこともあったようですが、現在ではこの関連性はほぼ否定されているようです。
我が国のインフルエンザワクチンには防腐剤としてエチル水銀(チメロサール)を含有している製剤と含有していない製剤がある。チメロサールを含んでいる製剤もその濃度は0.004~0.008mg/mLと極少量であり、胎児への影響はないとされている。懸念されていた自閉症との関連も否定された。したがって、チメロサール含有ワクチンを妊婦に投与しても差し支えない。
産婦人科診療ガイドライン-産科編2014 P.54-55
とはいえ、エチル水銀の影響についてはすべて解明されているわけではないこともあり、気になる場合には防腐剤(エチル水銀)を使用しないワクチンを選択することが通常は可能です。
ところが今シーズンについては事情が違うのです。
今季は防腐剤入りのワクチンしかない
これは熊本地震により熊本のワクチン製造会社が被害を受けたことで供給量の確保に懸念が出たため、今期に限っては生産効率の良い1ml製剤に絞ってワクチンの製造をすることにしたためです。
通常時製造されている0.5ml製剤は一人分使い切りのため、防腐剤を添加する必要ありませんが、二人分の1ml製剤は使いきりではないため、防腐剤を使う必要があります。
これが今季は防腐剤の入ったワクチンしか出回らない理由です。
しかし、前述したとおりインフルエンザワクチンの防腐剤についてはその危険性は高くないと考えられています。
インフルエンザにかかり重症化するリスクと、防腐剤の影響を受けるリスクを天秤にかけた場合どちらを重視するのか。
日本産科婦人科学会では、インフルエンザにかかるリスクの方がより重大だとして、流行下においては妊婦に防腐剤を使用したワクチンを接種することを「躊躇しない」としており、同様の案内を各機関に対して発信しています。
http://www.jsog.or.jp/news/html/announce_20160801_1.html
あとはこれを踏まえて、個々人がどう判断するかということになりますね。
僕のリスクについての考え方は以前書いた通りです。
夫を見たらバイキンだと思え
これは前回の妊婦健診で担当医がおっしゃったありがたいお言葉でございます。
妊婦がインフルエンザに感染しないようにするためには、父親の行動も大事になってきます。
母親は週数が進むにつれ、満員電車などの人混みに入っていくことは少なくなってくるかも知れませんが、父親は変わらず細菌やウイルスが跋扈する社会と家との往復を繰り返しています。
手洗い、うがい、マスクの着用など家にできる限りウイルスを持ち込まないように頑張りましょう。
出産間近で夫がインフルにかかるようなことは絶対に避けたいところです。
まとめ
妊婦がインフルエンザにかかると、重症化する確率が高まります。また、高熱が出ることによって胎児への悪影響も懸念されます。
妊婦がインフルエンザワクチンを接種することは特に問題がないと考えられていますが、ワクチンには防腐剤としてエチル水銀を使用しているものもあります。
防腐剤として使用されている量は微量であり、体内には蓄積されにくい性質のため胎児への影響はないと言われていますが、通常は防腐剤を使用していないワクチンを選ぶことも出来ます。
しかし今シーズン(2016-2017)については、熊本地震の影響を受け、防腐剤が使われていない1人用の0.5mlワクチンの生産がなく、選択の余地はありません。
また、妊婦がインフルエンザに感染しないようにするためには、夫がウイルスを持ち込まないないように十分に注意する必要もあります。
以上です。
僕は「人を見たら泥棒だと思え」とは思いませんが、
「夫を見たらバイキンだと思え」という言葉は、
「ヤマモトを見たらコウジだと思え」
「イジリーを見たらもう寝る時間だと思え」
と共に、我が家の家訓としたいと思います。
では、バイバイきん。
自分なりのインフル対策も一応考えてみました。↓
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