40歳で初めて父になる僕のブログ

妻(39歳)の初産までの軌跡とその後を、夫(40歳)の視点で綴ってみます。

産休・育休の妻は扶養にするべき?年末調整を前に考えた

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こんにちは、ちゃはちです。

早いもので今年も残りあと2ヶ月を切りました。

 

年末の風物詩は色々ありますが、サラリーマンにとっては会社で行う「年末調整」も恒例行事ですよね。決して面白いものではないですが。

 

僕の場合妻が12月から産休→1月に出産→しばらく育休という予定になってるんですが、この場合妻を「扶養」にした方がいいのでしょうか?

 

 

 

そもそも「扶養」ってなんだ

 

一般的な意味としては「自力で生活できない人を養うこと」という感じでしょうか。ぼんやりしてますが、普通の会話で使われる言葉としてはこんな解釈で問題ないかと。

 

でも、法律や規則を運用をする上では「扶養」という言葉の意味は、はっきり定義づけられていないといけません。

 

一般的なサラリーマンが妻の妊娠・出産に関して「扶養にする」といった場合に考えないといけないのは

  1. 社会保険上の扶養
  2. 所得税上の扶養

この2つでしょうかね。

 

一口に「扶養」といっても社会保険上の扶養と所得税上の扶養の意味は別物。

 

このあたりの区別をはっきり認識していない人も意外と多いかもしれません。

 

僕らもずっと共働きでしたので、これまでほとんど意識してませんでした。意識する必要が無かった。

 

でも出産を控え、産休・育休に入ることが分かっていますので、ちゃんと考えておかなければいけません。

 

これから出産する妻を持つ僕の場合、社会保険、所得税それぞれの「扶養」ってどう考えたらいいのでしょうか。

 

共働き夫婦の出産と社会保険

 

社会保険には健康保険、年金、労働保険がありますが、「扶養」の概念が働くのは健康保険と年金ですね。「扶養」に入っていれば、負担なく健保、年金に加入できます。

 

社会保険では「130万円の壁」という言葉が良く使われますね。

 

これは年間の収入が130万円を超えると扶養から外れることになるため、パート勤めの主婦なんかがこれを超えないように仕事を調整する状況を表現したもの。

 

しかし今年(平成28年)10月より一定の要件を満たしたパートタイマーを対象に、この130万円という基準が106万円に引き下げられました。一見扶養になれる要件が厳しくなったように感じますね。

 

でも実際には、106万円の基準が適用されるのは一部の大企業が中心となるようですし、社会保険の扶養要件は収入金額のみで決まるという訳ではなく、他にも契約上の労働条件などが判断材料になるようです。

 

また、加入している健保によってもその運用にはばらつきがあるみたいです。106万(130万)を超えるか超えないかという単純な話ではないんですね。

 

「何だか判断が難しそうだな」と思ってしまいますが、実は、仕事復帰を前提に産休・育休をとる方については、社保の「扶養」について特に意識する必要はないようです。

 

なぜなら「産休・育休中の社会保険料は免除」になるから。

 

要件などは年金機構のHPでご確認ください。

 

産前産後休業保険料免除制度|日本年金機構

育児休業保険料免除制度|日本年金機構

 

つまり共働き夫婦の妻が、いずれ仕事の復帰を考え産休・育休を取得した場合には、妻は夫の扶養になることなく自分の社保に加入したままでいいってことですね。ハナから扶養なんて考える必要が無い。そもそも社会保険料を払わなくていいわけです。

 

ただしこの免除を受けるにはちゃんと手続きをしないといけないようですので、会社を通じてしっかり行いましよう。

 

「扶養控除」と「配偶者控除」

 

社保については特に扶養を意識しなくて良さそうだとわかりました。では、もう一方の所得税についてはどうでしょうか。

 

所得税において「扶養」というと「扶養控除」という言葉が思い浮かびます。

 

要件を満たす扶養親族の数(年齢)に応じて、税金計算の基礎である「所得」から一定の金額を差し引くことができますので、扶養している人がいると税金が安くなります。

 

じゃあ妻が「扶養控除」の対象になるかどうかの問題かといえばちょっと違います。

 

収入の少ない配偶者に関する所得控除は「扶養控除」ではなく「配偶者控除」です。

 

配偶者控除の対象になる配偶者のことを「控除対象配偶者」と呼びます。要件は以下のとおり。

 

  1. 民法の規定による配偶者であること(内縁関係は対象外)
  2. 納税者と生計を一にしていること
  3. 年間の合計所得が38万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)→2018年からは103万円の基準が150万円に引き上げられることになりそうです。また夫の年収制限も導入されそうです。
  4. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと

この中で4.については普通のサラリーマンはほぼ関係がありませんので、無視して大丈夫だと思います。

 

また、これらの要件はその年の12月31日に現況によって判断されます。

 

つまり、「1年経ってみて実際どうだったか」を見て最終確定することになります。

 

 

しかしこうして見てみると、配偶者控除の要件には「扶養」なんて言葉は一切出てこないんですよね。

 

だから厳密に言えば奥さんを扶養にするとかしないとかっていう話ではなく「控除対象配偶者」の要件を満たしているかどうかってことが大事。

 

対象になれば、夫の税金が安くなるってことです。

 

良く似ている「扶養控除」とごっちゃになりがちなんですね。

 

 

 

紛らわしい!「配偶者特別控除」

 

さてさて、所得税に関しては「控除対象配偶者」に該当するかどうかってことが大事だとわかりました。

 

単純に言えば奥さんのその年の給与収入が103万円以下であるかどうかです。(もちろん給与以外に収入がある場合は別です)

 

社保の130万の壁に対して、所得税は103万の壁と言われてます。

 

でも、もしここで103万を超えていたとしても実はもう一つ受けられる可能性のある所得控除があります。

 

それが「配偶者特別控除」です。

 

「配偶者控除」に「特別」が挟まっただけです。

 

紛らわしいというか分かりにくいというか…。

 

配偶者特別控除とは配偶者の所得が控除対象配偶者の基準を超えていても、一定額までは所得控除を受けられるという制度です。

 

妻の収入が給与だけだと仮定すると…

 

給与収入103万円まで・・・配偶者控除

103万円超141万円未満・・・配偶者特別控除

 

がそれぞれ適用となります。

 

ただし、「配偶者特別控除」は控除を受ける納税者(この場合夫)の合計所得金額が1000万円を超えるセレブリティな方の場合は適用されません。申し訳ありませんが、おとなしく納税してください。

 

ちなみに「所得」と「収入」は別物です。

 

乱暴にいうと「収入」から「費用」を引いたものが「所得」です。

 

事業をやっている場合には収入と費用ははっきりしてますが、給与収入の場合の費用ってなんでしょう。

 

実は所得税では、給与収入に関しては「給与所得控除」というものを定めて、その給与収入額に応じて一定額を経費と考え、これを給与収入から控除して所得を計算します。

 

No.1410 給与所得控除|税について調べる|国税庁

 

例えば給与収入が年間103万円の場合には給与所得控除は65万円になります。

 

ですから

 

収入(給与)103万円-費用(給与所得控除)65万円=所得38万円

という計算になります。

 

先程の「控除対象配偶者」の要件であった、給与収入103万円=所得38万円というのは、この計算によるものなんですね。

 

 

で、話を戻しまして、配偶者特別控除で受けられる所得控除額は、配偶者の所得に応じて以下のように変動します。

 

「所得金額」ではイメージしづらいと思いますので、真ん中の「給与収入換算」で見た方が良いかもしれません。

 

配偶者の合計所得金額給与収入換算(給与収入のみの場合)控除額
38万円超40万円未満 103万円超105万円未満 38万円
40万円以上45万円未満 105万円以上110万円未満 36万円
45万円以上50万円未満 110万円以上115万円未満 31万円
50万円以上55万円未満 115万円以上120万円未満 26万円
55万円以上60万円未満 120万円以上125万円未満 21万円
60万円以上65万円未満 125万円以上130万円未満 16万円
65万円以上70万円未満 130万円以上135万円未満 11万円
71万円以上75万円未満 135万円以上140万円未満 6万円
75万円以上76万円未満 140万円以上141万円未満 3万円
76万円以上 141万円以上 0円

 

念のためですが、「控除額」というのは所得から控除できる金額ですので、控除額と同額の税金が安くなる訳ではないです。

 

じゃあいくら税金が安くなるの?ってことですが、所得税は「所得×税率」で算出されますので、安くなる税額は

 

所得控除額×税率

 

で求められます。ただし税率はその人の所得に応じて変動しますので、結構ややこしいです。

 

所得の区分に応じた税率は下記の表で確認できます。

 

所得税の税率表はこちら

No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁

 

配偶者特別控除は、配偶者控除よりも控除額が小さくなりますが、適用するのとしないのでは違います。該当する場合は漏れなく申告しましょう。

 

産休・育休中の手当は所得になるのか

 

妻が産休・育休に入れば基本的に収入はなくなりますので、所得税上の控除対象になる可能性が強くなりそうです。

 

でも、よーく考えると「出産育児一時金」や「育児休業給付金」さらに「出産手当金」などの公的手当をもらうことになります。

 

もらわないと生きていけません…。ってことは、やっぱり収入があることになって控除対象にはならないのでしょうか?

 

いえ、大丈夫です。これらの手当については所得に含まれないとされています。

 

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1191_qa.htm#q5

 

ただし産休・育休期間中にも会社から給与や手当をもらえる人は別です。

 

あくまで健康保険法や雇用保険法の規定により支給される公的な手当の話です。

 

ですから、産休・育休により公的手当以外に妻の収入が無くなった場合には、夫の控除対象配偶者として所得控除を受けられる可能性が高くなります。

 

ただし先ほど述べたとおり、妻の所得金額はその年の12月31日の現況で判断されます。

 

つまり、1月1日から12月31日までの1年間の収入金額になりますので、産休・育休に入るタイミングや仕事復帰するタイミングによっては控除対象の収入を超える可能性も出てきます。

 

僕の妻の場合は今年の12月に産休に入り、その後育休になります。ですから、今年、つまり平成28年はそれなりの給与収入があるので「控除対象外」、翌年平成29年は仕事復帰のタイミングによってどれくらいの収入が発生するか、まだ分からないので「現時点では扶養に出来るか不明」ということになります。

 

年末調整書類の書き方

 

確定申告の必要がないサラリーマンは、「配偶者控除」や「配偶者特別控除」を受ける場合には年末調整で会社に提出する書類でその申告をする必要があります。

 

「配偶者控除」の場合は「扶養控除申告書」(給与所得者の扶養控除等【異動】申告書)に、「配偶者特別控除」の場合は「保険料控除申告書」(給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書)に対象者の名前を記載し提出します。

 

基本的には年末にその年の状況が確定してから、それぞれの書類を提出することになりますが、「扶養控除申告書」については年末に2部会社から提出を求められる人も多いと思います。

 

僕の会社もそうです。今年分と来年分を各一部ずつです。タイトルを良く見ると「平成〇〇年分」の部分が、それぞれ今年と翌年になっていると思います。

 

まず今年分の申告書ですが、これは今年分の年末調整を行うためのものです。ですから今年末時点の確定事項を記載します。

 

これにより、今年の所得税の確定計算を行い、月々の給与から概算で天引きしてきた所得税との差額を最後の給与(または年始の給与)で調整することができます。いわゆる「年末調整」ですね。

 

来年分の申告書は、来年の月々の給与から天引きされる概算の所得税額(源泉徴収税額)を決めるために使われます。

 

毎月の源泉徴収額計算は、扶養している親族の数や、控除対象の配偶者の有無が関わってくるからです。(そもそも扶養控除申告書を提出していない場合には源泉徴収税額表の「乙欄」という、通常より高い税額が源泉徴収されることになります)

 

以上のことを踏まえると、例えば「今年は妻の収入がゼロだったけど、年明け早々から仕事に復帰することが決まっている」なんて場合には、今年分の申告書には控除対象配偶者として妻の名前を記載しますが、来年の申告書には逆に記載しない方が良いと思います。

 

なぜなら今年分の申告書と同じように、来年分も控除対象配偶者として記載してしまうと、来年の給与から天引きされる所得税額が「控除対象配偶者あり」として本来より少ない金額となり、来年の年末調整で不足分の差額を「徴収」される可能性が高くなるからです。

 

トータルで考えれば払う税金は同額なので、気にしない方は別に良いと思いますが、僕は最後に「還付」ではなく「徴収」されるほうがダメージが精神的にも大きいと思います…。

 

「あれ、何か手取が増えた。やったー」なんて喜んでたら、年末に「あ、やっぱ足りなかったからもらってくね」となるのはねぇ。ちょっと嫌ですよ。たぶんその分のお金はもう使ってしまっていると思いますし。

 

これは来年の状況が不確かな場合にも言えると思います。

 

僕の妻は来年おそらく産休・育休により収入が無いでしょう。でも今の時点では絶対ではないので来年の申告書には控除対象配偶者として書きません。

 

もし予想通り控除対象配偶者になった場合には来年の年末調整で申告して税金を還付してもらおうと思います。

 

「何か多かったから返すわ」

 

この方が良いです。

 

ちなみに扶養控除申告書を1枚だけ提出する会社の場合には、おそらく今年の年末調整と来年の所得税の天引き額計算をその1枚で行おうとしているのだと思います。

 

この場合には「今年控除対象であれば、来年も控除対象である」という前提で源泉徴収されていくと思いますので、控除対象から外れることがはっきりした場合にはすぐに異動の申告を会社に行って、源泉徴収計算をあらためてもらった方が良いと思われます。

 

怠るときっと年末にごっそり持って行かれますよ…。

 

「配偶者特別控除」については「保険料控除申告書」で申告しますので、提出するのは年末だけですね。

 

配偶者控除が改正される?

 

ここのところずっと話題になってますね。控除対象配偶者の所得要件を引き上げるとか、所得に関係なく「夫婦控除」を導入するとか、色々検討されているようです。

 

どうなるかはわかりませんが、おそらく現行の規定は近いうちに改正されるのでしょう。今回書いたこともガラッと変わってしまうかもしれません。

 

税制は良く改正されるので、常に新しい情報をつかんでおかないと思わぬところで損をしてしまうことがあります。

 

税務署は、納付すべき税金をほうっておけばそのうち利息付で取りに来ます。でも還付してもらえる税金は決して教えてくれません。

 

ややこしくてとっかかりにくいモノですが、できるだけ情報を収集して、理解するように努め、必要な行動をとるように心がけたいものです。

 

まとめ

 

妻が産休・育休に入る場合には、夫の扶養にするかどうかという問題が生じます。しかし社会保険については産休・育休中の保険料は免除されるので特に扶養を意識する必要はありません。

 

所得税については配偶者控除の対象になるかどうかが問題ですので、一年間の給与収入が103万円以下であれば夫の所得が少なくなり、税金が安くなります。

 

また、103万円を超えていたとしても、141万円未満であれば配偶者特別控除を受けることができます。

 

さらに出産育児一時金などの公的手当については収入に入れなくて良いことになっていますので、公的手当を受給することで控除対象から外れてしまうことはありません。

 

確定申告の必要がないサラリーマンは、年末に会社に提出する書類で控除対象者の申告を行います。

 

現在配偶者控除について税制改正を行う動きが本格化しています。税制は改正されることが頻繁にあるので、出来る限り新しい情報を仕入れて、損をすることがないように努めることが必要です。

 

以上です。

 

ちなみに配偶者控除は、住民税にも適用がありますので、安くなるのは所得税だけではありません。これ以上書くともっと複雑になりそうなのであえて今回は触れませんが…。まぁ要は適用出来れば色々得になるってことです。

 

社保とか税金とか非常に分かりにくいですよね。今回書いていても非常に疲れました…。

 

源泉徴収という仕組みは納税者が複雑な税制をなるべく意識することなく納税ができるという意味で利点がありますが、一方で納税意識を低下させる要因になるという指摘もあります。

 

完全な理解は難しいかもしれませんが、自分たちの生活に直接結びつくものとして興味を持っていれば、少しずつ理解も深まっていくように思います。

 

では、今回はここまでです。ではまた。

 

その後、配偶者控除の改正についてほぼ固まったようです。↓

www.forty-to-son.com